富里市内で活躍する方にインタビュー
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その12
「波乱の人生」白寿を迎えた 清水チヨさんにインタビュー
(2018年1月)
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昨年12月、満九九歳になりなお好奇心が旺盛な清水チヨさんにインタビューしました。 聞き手は柏崎のり子市議ほか編集部員です。 写真=「波乱の人生」を明るく語る清水チヨさん(中沢) どんな青春期だったか【清水】 1918年(大正7年)12月8日、岩手県釜石の漁師の家で生まれ、14歳(昭和8年)のときの三陸大津波で祖父を失いました。 戦争時のつらい体験が記憶にあるんです。軍事工場・釜石製鉄所があったため、くり返し激しい空爆や艦砲射撃を受け、避難した防空壕の中で「みんな死ぬんだから」と、別れに国歌を歌ったんです。 24歳(昭和18年)、徴兵先の満洲出兵から帰国した夫(26歳)と第2次大戦最中に結婚、翌年に第一子を出産、赤ちゃんが10カ月の時に夫が徴用された釜石製鉄所のガス爆発事故で死亡。赤ちゃんは亡夫の実家で引きとるからと言われたが、自分が育てることにしました。 戦後の混乱期と厳しい労働【清水】 終戦は27歳の時。戦後の配給米では足りないので、コメを求め農家を訪ね歩いたの。交換する魚や塩をもって遠野や花巻へ峠超えをしたんです。一人息子を育て生きるため、サイダー工場や酒屋、そして、みそ・しょうゆ醸造所では35年間働きました。「10貫樽(37キロ)を肩に担ぎ、はしごを登り6尺の大樽に入れる」作業、その時の肩のコブが今も残っているよ。 好奇心が旺盛で趣味が多い【清水】 趣味は、在職中に生け花、お茶、和裁を、退職後は書道、パッチワーク、俳句など好きなことしてきた。 健康に留意していることは【清水】 健康の秘訣といえば、少量だけど、遅いと言われても、じっくり時間をかけ、よく噛んで食べる。好き嫌いはありません。 物事に興味を示すこと。 今の生活、感じていること【清水】 69歳になり、息子夫婦をたよって富里に移り住んだ。同居して1年半で息子を亡くし、今は長男のお嫁さんにお世話になり孫と3人暮らしです。 (※)鈴木東民 |
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その11
富里一の養豚業・佐々木農場を訪ねて
(2017年11月8日)
養豚業を手がけたきっかけは何ですか
【佐々木】 昭和40年頃、もともと畑作農家で、堆肥を作るために豚を数頭飼養していた。昭和45年、全国種豚共進会で優等賞を受賞。これがきっかけで当時、千葉県において飼養管理が研究段階だったSPF豚(※)の全国初のモデル養豚場として実用化を勧められた。父は反対でしたが、自分(兄・作三)の学校卒業と時期が重なったこともあり、父を説得して養豚専業農家に切り替えた。
※SPF豚とは、Specific-Pathogen-Free(スペシフィックパソージェンフリー)の頭文字で「特定病原体不在」という意味です。豚の健康に悪影響を与える指定された特定の病気が存在しない豚のことをいいます。
養豚業でご苦労していることはどんなことですか
【佐々木】 現在、豚肉の相場は安定しているが、将来、低迷する不安はゼロではない。市場相場のため、経営の先行きが見えない状況の中では、後継者づくりが難しい。
また、富里市も都市化が進み、市街地と養豚場の環境面での共存が難しくなっている。
今後、望むことは
【佐々木】 どの政党も国民も食の大事さを理解してもらいたい。先進国と言われている国々の食料自給率は100%以上だが、日本は40%に満たない。食料を海外に依存したら食の安心・安全が守れないと思う。
(後記)日本養豚協会によれば輸入関税撤廃の影響減少額は4000億円(千葉県で285億円)と試算されています。
その10
犬のブリーダー増田留美子さんを訪ねて
(2017年4月30日)
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柏崎のり子市議とソフトボールのチームメイト、犬のブリーダー増田留美子さん(31歳)を訪問しました。増田さんはピッチャーですが犬の出産があると24時間、犬と寝食を共にするので試合や練習にも出ないそうです。仕事への強い熱意が伝ってきたインタビューでした。 (柏崎議員ほか3人で訪問)
写真= 富里市十倉の自宅にて
増田さんがブリーダーの道を選んだきっかけは何ですか
【増田】 中学から高1までソフトボールをしていましたが、飼い犬がきっかけで、できない事ができるようになった喜びを知り、訓練やしつけの仕事をしたいと思い、訓練士を目指しジャパンケネルクラブと日本警察犬協会の公認訓練士の資格を取得しました。子犬や成犬のしつけ、希望があれば警察犬や展覧会への出陳をめざす訓練も行っています。
犬の訓練内容の違いとシェパードへのこだわりは
【増田】 基本のしつけは警察犬も家庭犬も変わりません。新しく迎える犬は、ハウス、トイレトレーニングなど時間、場所の管理をする仕事で、生後6ヵ月頃までにとても飼いやすい子に育ちます。。 シェパードを求める人の多くが、番犬目的ですが、家庭犬にも向き、忠実で優しく甘えん坊です。見た目の凛々しさとは違うところが魅力の一つです。なかにはシャイな子もいますが、むやみに人を襲ったりしません。
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えさと病気などの注意は【増田】 えさは発がん性物質やアレルギーの原因にならないフードを選び、毛艶(けづや)やアレルギー対策で馬肉、ヨーグルトを与えています。被毛を綺麗に保つ為、毎日のブラッシングやシャンプーも行っています。 犬を選ぶときの留意点【増田】 子犬を選ぶなら親犬と住環境を見せてくれて、いろんな話が聞けるブリーダーを選ぶと良いと思います。 仕事での苦労と喜びは【増田】 苦労は病気になった時です。嬉しい事は、できなかった犬がお利口になり飼主さんが喜んだ時です。 増田さん、長時間のインタビューありがとうございました |
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その9
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富里のコメ作り1000年の歴史上では最大のピンチ
「どんな作物を作っているんですか」
【篠原】 おコメとスイカを主に作っています。富里のコメ作りの歴史は古く、鎌倉時代にさかのぼります。水はけの悪い沼地のような田んぼのコメは美味しいんです。コシヒカリです。しかし、コメ生産は、非常に厳しい。コンバイン、大きな倉庫、乾燥機も大型化し、借金返済に追われ、利益は出ません。いま1表11,000円の買い上げですが、14,000円でないと赤字です。コメ作りは1000年の歴史のなかで最大のピンチです。生産者、販売、消費者が自然の美しさをみて、コメ作りの大切さを理解することが必要だと思っています。
スイカは、1ヘクタール作っています。スイカ生産高の第1位は、地震で大きな被害に見舞われている熊本、2位が富里です。
スイカは手間をかけただけ返ってくる
「スイカづくりにどんな苦労が」
【篠原】 温度管理を怠ることができません。朝5時に畑に出て夕方までつきっきりでハウス内の温度を調整するので1日12時間労働にもなります。1株から4本の小づるを伸ばし、つる先がトンネルに達したらつるを戻して、雌花の位置をトンネル中央付近にまで引き戻す整枝、さらに交配、2果に摘果、果皮をむらなく着色させるため玉返しを繰り返します。この工程を手抜きをしないことが大事です。「ハウス栽培」は5月ごろ、「大・中型トンネル栽培」は6月ごろ、「小型トンネル栽培」は7月ごろに収穫できます。JA富里から大玉2個入りが55万ケース(110万個)を全国へ出荷しています。
富里スイカをもっともっと知ってもらいたい![]() |
【篠原】 マイスターは一般的に職人、技術者などに与えられる称号だと思います。スイカマイ 写真= 富里スイカ生産者としての高い技術が認められ、日本特産農産物協会から篠原さんへ送 |
スイカを食べる家族が明るい笑顔になればいい
「きびしい労働へ何がつき動かす?」
【篠原】 一日の労働時間が12時間、農水省試算では、時給の労働単価が、おコメで200円、スイカのハウスで380円、トンネル(露地)で580円です。4〜500人いたスイカ農家が半減しました。消費税が10%になればハウスのビニール資材など出費も重くなります。「それでも、なぜスイカ作りを」と言われれば、作ったスイカを、食べて明るい笑顔の家族を思うからです。

篠原さんは、特産スイカなど食育について、学校に出向き子どもたちに語っています。また、評判のスイカオーナー制度は篠原さんの畑でおこなわれています。篠原さん宅を訪れ、「初めまして」とご挨拶したところ、「前にお会いしています」と篠原さん。農業士会の勉強会に柏崎のり子市議が講演者として招かれた際、農業士・篠原さんも同席していたとのことでした。篠原宅は、黒光りの堅牢な家屋で築250年とのこと、庭とともに見事です。
写真= ハウスとトンネル内の作業に精を出す姿が富里のいたるところで見られます。(楕円内写真はスイカの開花=4月26日)
訪問した人
柏崎のり子市議会議員.谷ヶ崎温.柏崎末人
その8
元衆議院議員(元自民党千葉県連会長) 実川幸夫さんを訪ねて
(2015年1月15日)

実川 幸夫 氏
1993年7月衆議院議員選挙で初当選
2009年8月迄5期16年の国会活動運輸政務次官、法務副大臣、衆議院総務委員長などを歴任
国会議員を退いてからも介護施設のボランテア活動などを続けておられ、お忙しい中にもかかわらず快くインタビューに応じていただきました。
「長い国会議員生活を振り返って印象に残ったことをお聞かせください」
【実川】 政治を志すきっかけとなったのは、成人式のとき、先輩である小川国彦先生の講演に感銘を受けたから・・。衆議院議員は5期16年携わった。銚子までの広い千葉2区で初当選した。中選挙区制の最後の選挙だった。千葉1区から共産党の志位先生、安倍首相も国会議員としては同期になる。
法務副大臣になり司法改革を行ったとき一番勉強もし充実した。法務委員会では法案審議は通常は数本程度の法案だが、あの時は通常国会中ずーっと20本前後の法案を審議した。裁判委員制度の法案や量刑など色々な議論があった。アメリカでは裁判員制度は定着しているが日本ではまだまだで裁判員になった方の心のケアーなど必要と考えている。
小選挙区は問題が多い
「小選挙区制と政党助成金が政治腐敗の原因ともいわれるが」
【実川】 朝日新聞で志位委員長の記事を読んだが、小選挙区制が正しく民意を反映していない等、私もそう思う。小選挙区では大政党の公認を得られれば苦労しないで当選してしまう。以前の中選挙区制度では、同じ党公認の複数の候補も争い切磋琢磨できた。また投票率も50%程度と下がっており問題は多いですね。
性急すぎる安倍内閣
「安倍政権の政治の進め方についてどう感じておられますか」
【実川】 安倍さんのやり方は性急すぎで焦っている。丁寧な議論がない。野中先生(元自民党幹事長)も同じような感想を言っていた。集団的自衛権も含め先に閣議決定している。完全に官邸主導、安倍主導となっている。国民も危ないと感じていると思う。今までは党内で議論を積み上げて煮詰まってそれを総務会で取りまとめ政府へ上げてていた。今は反対で上から(官邸)押し付けてきている。総務会が自由にモノを言えるのが自民党だった。外交も国内のことも安倍さんのリーダーシップはいいが良く意見を聞いて慎重にやってほしい。沖縄新知事に会わないなどちょっと問題だ。
戦争しない国づくりは党派を超えて
「再び戦争はしないと誓った日本ですが、集団的自衛権についてお伺いします」
【実川】 古賀先生や、野中先生も危惧していると思う。議論もせずに国会終了後に閣議決定をした。急ぎすぎだ。集団的自衛権も秘密保護法も経過など含めてもう少し議論が必要と思う。国会でも地方でも若い人は議会のルールをもっと勉強してほしい。
戦争をしない国づくりについては自民党も共産党も無い。いま正面からはっきり言っているのは共産党くらいだ。
「日本共産党への注文やご意見をお聞かせください」
【実川】 これから更に中央も地方も共産党の役割が重要になる。衆議院選挙でずいぶん伸びたでしょう。
「日常生活においてご健康に留意されている点などお聞かせください」
【実川】 基本は体を動かすこと。散歩は一時間はやっている。ジムにも行って筋トレもやっている。他に特養老人ホームなどの理事を数箇所ほどやっている。今後、高齢化がさらにすすむなかで介護職員の不足が問題になってくる。国は、さらに介護報酬については、しっかり職員の賃上げを実施してほしい。
インタビューは政治の話の他、日航機「よど号事件」とその後の係わりや御料牧場(現在の成田空港)の桜が見事だったことなど親しみを込めた忌憚のないお話を伺うことができました。
写真(右から) 実川 幸夫さん、柏崎のり子富里市議、谷ヶ崎 温後援会事務局次長
=1月15日、実川 幸夫事務所にて
その7
サラブレッドトレーニングセンター
牧場主・篠原 義行さんを訪ねて
(2014年4月)
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“馬の里 ”富里市の中沢で、サラブレッドトレーニングセンターを経営する篠原ファーム代表の篠原義行さんにインタビュー訪問しました。 |
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牧場経営に関わるキッカケについては? |
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【篠原】 篠原牧場としては、祖父の代は農耕馬の生産が中心でした(農耕馬用の種馬を飼育していた)。祖父は馬キチガイと言われるほどの馬好きで、機会があればこの農耕馬を使って草競馬をやっていたと聞く。遠くは茨城県の方まで遠征したそうです。戦争から帰った父・喜八が昭和28・29年ごろ農業のかたわら飼育していた乳牛を全部(4〜5頭)売ってサラブレットの繁殖牝馬を手に入れたのが最初で、この頃からサラブレッド生産が本格化してきたと思います。でも、この頃は、まだ農業が本業でした。私は昭和23年生まれですが物心ついた時には馬がいました。私が家業を継ぐ決心をしたのは昭和45年頃で、両国の家畜市場で副業で生産した馬が450万円で売れたことがあり、家が一軒建つほどの金額です。 |
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牧場経営のご苦労はどんなところですか【篠原】 千葉県では、今は競走馬の生産はほとんど行われていません。生産には何よりも広い土地が必要です。安く広い土地が確保できる北海道が中心となりました。千葉の牧場では北海道で生産された馬を競走馬として一人前の馬するための訓練、調教を行い競馬場へ送り出すことを仕事としています。また、競馬(出走)後のリフレッシュを兼ねての休養が中心です。 しかし、景気後退で競馬(馬券)の売り上げが減り、賞金も減り、サラブレット生産頭数は半減し、空いた施設を利用して北海道でも千葉と同じことをするようになりました。千葉の家族経営の中小牧場は打撃を受け、やむなく、その施設を乗馬クラブに貸すようになっています。これからは乗馬ブームもあり、富里では乗馬クラブがもっと増え、馬の総頭数が増えると思います。 従業員の確保も大変です。引きこもりの子がここで成長した例もあるが、外国からも来ています。育成には馬に乗れなくてはならない。10年はかかる。騎馬民族と言われるモンゴル人も入れてみたが生活習慣が異なり、人材育成はむずかしい。馬の育成には人間から育てなければならな状況ですね。 |
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TPPなど今の政治に対する注文はありますか
【篠原】 TPPは馬の生産者には真っ向影響しますね。馬の輸入関税は一頭あたり360万円かかっているんですが、これが無くなれば安い馬がドッと入ってくる。北海道などの小規模家族経営の牧場ほど影響は大きいと思います。しかし、関税がなくなっても日本で通用する良い馬が買えるわけではありません。育成・休養が主体の千葉ではそれほど影響は無いと思いますが、それよりも円安による飼料代の値上りで困っています。日本の飼料は栄養価が低く、原発の影響で東北のものは使えないため、今は100%アメリカからの輸入に頼っています。競走馬には栄養価の高い飼料を充分食べさせ、しっかり運動させることが必要なんです。
馬と牧場経営の魅力についてお聞かせください【篠原】 馬は、体が大きいのに気が小さい。人に慣れて長い顔をやさしくこすりつけてきたら犬など比較にならないくらい可愛い。牧場経営は、家族が食べていけて、若い人に給料が払っていければ良いと思っています。調教技術、場房貸しなどで何とか繁盛しています。 インタビュー終了後、蹄鉄を付け替える場面に遭遇しました。蹄鉄を換装していた馬は3歳の競走馬で昨年よりレースに出ているそうです。見るからに筋肉が盛り上がった無駄のない馬体で、つやもよく美しさを感じさせました。 |
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その6
富里市(町)商工連合会元会長 高橋光流さんを訪ねて
(2013年12月27日)
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富里町(市)の商工会会長や、ふるさと祭実行委員長などを務めた高橋光流さん(現在94歳、七栄在住)を訪ね、太平洋戦争の体験感、商工会の活動を通じての思い、現在の政治に対する見解などをお聞きしました。(12月27日) | 戦争は無残 21歳で招集され、主に中国・北満に送られました。極寒期にはマイナス30度、40度にもなる厳しいところでした。戦争は一口で言うと「残酷」です。天皇制の下での軍隊ですから「上官の命令は天皇の命令」です。個人での失敗は勿論、他の人の失敗も連帯責任で殴られました。よく戦死の際「天皇陛下万歳」と言って死ぬと言われるが実際は違います。多くが「お母さん、お父さん」と叫んで死んでいきました。殺さなければ殺される、戦争は無残、残酷だ。 |
富里の発展に貢献
ソ連から帰国した時は33歳になっていました。すでに父はなく家族を支えるため農業を始めたが一町4反足らずの耕地では暮らしは成立たず、近くに住んでいた戦友の援助も受け大工になりました。「仕事は人に聞くな、見て覚えろ」と言われ、苦労は多かったが人の何倍か努力して早く一人前になったように思います。
富里の建築工業組合や商工会など幾つもの役職にも付いて、多い時には30を超える役職になっていました。月のうち20日が会合で仕事は10日ということも少なくなかったです。
このことが富里の発展に少しはお役に立てたのならうれしいです。
国民いじめは許せない
安倍政権は本当に国民を苦しめています。来年は消費税が上がる、すでに電気代もガス代も値上げ、どうして暮せばいいのか、まるで人殺しだ。沖縄の基地問題もひどい、自民党も知事も公約破りではないか。戦犯を合祀している靖国神社参拝はやるべきでないです。安倍さんは再び戦争をしようとしているような気がします。
(聞き手・谷ヶ崎 温)写真上 高橋 光流さん
写真下 高橋光流さんの軍服姿とシベリア抑留の賞状
その5
千葉県議会議員 副議長
伊藤 勲さんを訪ねて
(2013年10月25日 伊藤 勲さんの事務所にて)
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TPP参加が年内決着かという状況の下、自民党の公約、聖域といわれる重要5項目について自民党・西川公也TPP対策委員長が「関税撤廃の検討をする」と発言、全国から「公約を投げ捨てるのか」との怒りの声が広がっています。農政問題に詳しい富里市選挙区の伊藤勲自民党県議会議員を訪問しました。 TPP参加は危険な道「いま政策的には自共対決と言われますが、TPPなど自民党議員と共同できるものもあります。県政の様子を含めてお聞きします」 【伊藤】 9月県議会は終わったが各種審議会などがある。TPPについては完全に反対である。私は、県内各郡市からの代表など23名で構成された千葉県農業会議の会長として、また、農業会議の1都5県の会議にも出席、農業関係者はみんな反対、農水省にも言っている。 安倍首相は突っ込みすぎ、勉強不足だ。アメリカ言いなりのTPPは農業のみならず国民皆保険の制度そのものも崩壊する非常に危険なものだ。医師会も反対している。 「TPPが危険という内容は」【伊藤】 私たちの勉強会の資料を差し上げる。農業に関して言えば、農家は自分で食べる分しか作らなくなる。出荷には採算が取れないからだ。輸入農産物は農薬漬けで安全は保障できない。安保どころではない、食糧難になるだろう。私は海外の農業事情を視察してきた。アメリカ、中国、ベトナム、オーストラリアなどの実態は、安定供給、安心などと言えない。消費者にとって食料を海外に頼ったとき危険性が高くなり不利益となる。中国では、消毒で真っ白になった野菜を工業用水につけタワシで洗って輸出している。 |
「富里ではどうですか」【伊藤】 日本の農産物は、安全性を重視している。富里では出荷された農産物は、農協が常に農薬のチェックをしている。私は鶏卵を出荷しているが、鶏の飼料は、生協などからの要望もあり高くつくがアメリカから輸入したノンGMO(非遺伝子組み換え)を与えている。 農業破壊の道なら自民党がつぶれる「政府は、農業経営の集約化の方向だが」【伊藤】 企業が耕作放棄農地の取得・借用することは許されない。土地対策は、地区毎の土地改良区に任せればできる。企業によるコスト重視のもうけ主義は、安全・安心の食料提供とはならない。医療分野でも企業の参入を許せばもうけ主義になり、結局、国民は高いお金を払うことになる。TPPでは、公共事業へ外国企業が参入する。アメリカはそこまで入ろうとしている。中小企業はつぶれる。こうなっては地方経済も落ち込んでいく。 |
「安倍の暴走を止められるか」【伊藤】 農業破壊の道では、農協がつぶれ、共済制度がなくなり、農家の支持を得られない自民党は必ずつぶれる。林芳正農水大臣にも言う。 「伊藤さんが手がけているもの、健康の心がけや気分転換の仕方をお聞かせください」 【伊藤】 いまは、鶏卵、梨と米を作っている。後援会のゴルフもあるがスコアより歩くことを心がけている。私が富里市ソフトボール協会会長で柏崎のり子さんが副会長ですよ。食材が豊富な富里だから野菜系の食事を多くとっている。 |
インタビュー後、伊藤さんから卵と納豆を混ぜて5分ほど置くと納豆菌が倍になるから、抗菌作用のある醤油をかければ良いとの話。 自宅周辺に梨畑が1町3反歩あるという、その伊藤勲事務所で「TPP阻止の固い決意」を語っていただきました。
(訪問した人)柏崎のり子市議会議員、谷ヶ崎温、柏崎末人
写真= 伊藤さんの経営する鶏舎と伊藤事務所のまわりの梨畑
その4
農業委員会 会長 島田 潔さんを訪ねて
(2013年4月14日島田さんのご自宅にて)
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TPP参加による農林水産業の影響は政府の試算でさえ、千葉県は1069億円減少。麦類、牛乳が全滅。豚肉が78%減、牛肉70%減、落花生40%減と報じられています。地域経済とくらしが大きく変わるTPP参加への道などについて富里市農業委員会の島田 潔会長を訪問しお聞きしました。 |
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困難な問題はありますか
【島田】 農業委員会として判断しかねて県に問い合わせている案件は多い。産業廃棄物・堆肥化するとして産廃の処分搬入場になったりする。
TPPは国民に有害
TPPについてのお考えは
【島田】 世界のグローバル化もあるが、大企業が得た利益を末端国民への配分がどうされるか明示されていない。農業委員として納得できない。
農産物の保護が無くなり、千葉県の牛乳が全滅との報道もあるが
【島田】 米への影響も大きい。牛乳生産は為替の問題でえさの値段が変わるが、一方売値はそれほど変わらず利益が出てこない。辞めていく農家が出てきている。負債があれば辞められない。辞めるときは完全に倒産したときだ。日本の農地では家族労働の範囲で作物を作るのに適している。日本で食料を作らなくなれば、食料輸入に際して外国から足元を見られ大変なことになる。
後継者問題は深刻
【島田】 高度経済成長時代に農家にも利益があったが賃金労働者の給料と比較して、農家は家族労働の合算収入だった。両方を比較してみると経営者は後継者に勤め人になるようにすすめた。そういう風潮が農村に広まって後継者がいなくなっている。ただ、現在の農政は、株式会社・生産法人・新規就農者に対して手厚い保護と思われる。農地解放の理念から現在は方向がずれていると思う。それよりもUターンして生産基盤が整っている地域、過疎化している畑のあるところに戻って農業経営ができるように支援してほしい。そうすることによって過疎化対策や遊休農地の解消につながる。今の補助制度のなかで里山保全などあるがその補助金は必要ないのではないかと思う。
消費者に対して一言
【島田】 日本の農薬使用基準は、食の安全としては世界一だと思う。TPP交渉でこれ以上農薬規制を緩めてほしくない。生産者には厳しいが、消費者も安全で安心な食料を食するための労賃と対価を見極めてほしい。農家が再生産できるような価格を理解してほしい。
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島田さんは『ニラ』一本でやられているようですが
【島田】 そうだ。毎年植え替えて手間をかけて品質を維持している。収穫してからの選別などの手間が大変なので作るときの品質管理が重要だ。出荷先は、地元産直や農協の仲介でイオンなどに出している。
ところで趣味は何ですか
【島田】 いやー趣味はやっぱり仕事かな。若い頃農家はやりたくなかったが、やってみて分かるが、毎日成長する作物をみてまわる。金だけのことだけ考えては作っていない。やっただけのことは成果として出てくる。54メートルの長いハウスは自分で作った。
インタビュー後、ニラ栽培のハウスを見せて頂きました。確かに長いハウスは見ごたえがありました。幅一杯8畝の苗が30センチ間隔で植えてありました。種から育てて植え付け後は年9回収穫が出来るそうです。驚いたことにハウスは暖房せず2重に囲うなどして保温しているそうです。
写真上 島田潔さん
写真下 ニラ栽培のハウス内で左から柏崎のり子市議、島田 潔さん、谷ヶ崎 温さん
その3
「子どもたちに危険なものは残さない」
「脱原発をめざす首長会議」会員でもある富里市長・相川 堅治さんを訪ねて
(2012年11月16日 市長室にて)
「脱原発をめざす首長会議」の会員である相川市長にその思いを伺いたく訪れました。市長が「首長会議」の会員であることは市民の間ではあまり知られていないと思います。
【市長】 全国的に会員の誘いがあったので参加しました。市民を守りたい一心からです。一旦、原発事故が発生したら自分(市長自身)で市民の生活を守れません。原発は危険なものをもっていて、原発事故は困難で現在の技術ではコントロールできません。危険なものをわざわざ作らなくても良いと考えています。
原発が無いと電力が足りないなどと言い、野田内閣は大飯原発の再稼動を容認しましたが。
【市長】 本当に足りないか分からない。私は70才で、決断力は70歳代が優れ、想像力は40歳代が優れていると言われています。だから私は常々40歳代の意見を聞くようにしています。70になるとこれ以上の豊かさを求めての経済繁栄が必要なのか、これ以上地球から大切なものを奪っていいのか考えてしまう。また、原子力がこれからの子供のためになるのか、まだ火のように原子力を扱えるならば良いが。この前の事故で痛感しました。
「脱原発をめざす首長会議」の活動についてお聞かせください。
【市長】 千葉県の会員は、隣の酒々井町長や県市長会会長の野田市長など5名です。「首長会議」は遠隔地での会議なので参加できていません。自治体の首長の責任は、原発に依存しないで、すみやかに再生可能なエネルギーを地域政策に取り入れることと思います。
「脱原発をめざす首長会議」は4月の設立以来、政府に対して大飯原発再稼動の決定に抗議しましたね。
【市長】 私が理事を務める全国市長会とはまったく別の組織ですが、原発ゼロをめざす志をもった町長や村長が入っています。政府が大間原発建設工事の再開容認を決定したことにも抗議をしました。始まったら放射性廃棄物は溜まるし、よその国へは持っていって処理するわけには行かない。
富里市の放射能汚染の状況、被害についてお伺いします。
【市長】 富里市では幸い売れないものは無かった。お茶農家は少ないが組合が八街にあり、そちらで補償問題を取りくんだと聞いています。水道関連は早くからはじめたのですぐに賠償されました。
【記者】お茶以外の被害はどうですか。
【市長】 富里では農協に検査機械があり、優秀な機械で土壌も調べられます。出荷停止になった農作物は一件もありません。牛豚では風評被害が出でているようです。もしスイカに出たら大変でした。一日にトラック50台以上の出荷があり廃棄するにしても捨てる場所も無い。全国一生産量のニンジンも(線量)ゼロで良かった。個人的にはニンジンのてんぷらが好きで、親がやってきたように食べていれば90くらいまで生きられると思うが、昨今の原発事故の影響などでそうも言っていられないようです。
富里でも太陽光発電設備への補助金を出しましたね。
【市長】 議員も取り上げたもので、評判が良く申請も多数あり当初予算では不足となった。耐震診断と住宅リフォームへの助成も人気でした。来年は更に予算を増やしたい。地元経済の発展のため地元業者を有利にした制度だが中々地元に回ってこないのが実情です。
脱原発のため、ほかに市長がしようとしていることは?
【市長】 庁舎の節電です。空調はガスでやっている。太陽光発電は少しです。当時は太陽光の値段が高かったので導入していません。
今後、公の施設などでの節電や再生エネルギーの導入などは検討されていますか。
【市長】 財政の許す限り節電対策や再生可能エネルギーの導入は考えているが、現在の市の財政指数は健全です。是非継続したい。子供たちに負を残したくないし、やりたいことがあっても、そのときに金が無いではすまない。
脱原発に向けての市民への啓蒙などは考えていますか。
【市長】 脱原発の考えは結構広がっている。先日も会議で国会の近くに行ったが多くの市民がデモに参加していた。
「即時原発ゼロ」の実現の日本共産党の提言についての感想はいかがですか。
【市長】 即時原発ゼロは無理と思っている。即時は無理だなー。ただ増やしてはいけない。増やすと言うことはこれからもやると言うことだ。止めるならスケジュールを決めないといけない。
友人が原発避難で仮設住まいをしています。私たちも原発ゼロをめざした取り組みをして行きたいと思います。
今日は、お忙しい中、市長の率直な思いをお話いただきありがとうございました。
写真 左から柏崎議員、宇寿山、谷ヶ崎、相川市長(=11月16日)
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その2
イラストレーターの不二本蒼生さんを訪ねて
(2012年7月25日不二本蒼生さんのご自宅にて)
市内でこだわりを持ってがんばっている方を紹介する趣旨でお伺いしました。早速ですが富里への転居とイラストレーターをめざしたきっかけをお聞かせください。
【不二本蒼生さん】 多忙のストレスで潰瘍性大腸炎という難病になり体力的に経済的にも無理がきかなくなり安価な物件を求めて移住しました。イラストレーターを志したきっかけは、中学時代、熱心な美術の先生が木版画をコンクールに出品してくださり年賀状版画コンクールで受賞し、高校時代に久里洋二氏や宇野亜喜良氏の作品に感動しイラストレーターの道へ進むようになりました。
近くのサーキット場の騒音は?(以前、騒音問題で柏崎のり子議員に相談)今話題のオスプレーは安全性に疑問をもたれていますが、低空飛行の騒音も大変なものがあるようです。
【不二本】 今でもリモコンカー騒音は日曜などは特にうるさく近所迷惑しています。オスプレイはヘリコプターと飛行機が合体したようなもので危うさを感じます。米国内での訓練ができないから日本で?日本は占領されていると変わらないと感じます。昭島の米軍ハウスに住んでいたことがありますが軍用機は騒音が大きく、民間機とは比べ物になりません。
近頃原発反対で毎週金曜日に官邸前に大勢の人が集まっています(赤旗一面の集会の写真を見て)。
【不二本】 原子力発電により出る廃棄物の処理法が決まっていないのに、次世代に対して大変無責任で政府の経済重視に問題があると思っています。マスコミも操作されており、自分で判断し考えるためにFacebook、Twitterなど何でもありのインターネットを新聞の代わりに利用しています。
(書棚の沢山の書物や作品を引き出し開きながら解説をしてくれました)
作品を見ると色使いやデザインが特徴的ですが・・。
【不二本】 イラストレーションは日常生活の中にあリ、大衆のために依頼主の要望に応じて様々な画風で描いています。
作品はどのようにして制作しているのですか。
【不二本】 ベイシア前の大銀杏公園にあるトミサトマップはパソコンで描き、大きなサイズはデータ量が多くパソコンの動きが重くなり大変でした。市役所前の親子馬の銅像は原画と製図を制作しました。鉛筆画、ロットリングを使った線画、油絵、リトグラフなどそれぞれに応じた手法を使います。小説のカバー絵や挿絵、岩波の写真集の中の地図などは等高線などのわずかな資料からイメージして描いています。宝当箱などの縁起物なども注文に応じてデザイン制作させていただいています
作品のイメージ作りや作品を生み出すエネルギーはどこから生まれるのですか。
【不二本】 日常生活から自然と生まれるのだろうと思います。たとえば小説の挿絵なら原稿を読んでイメージを考えて描きます。依頼主の考えに沿うようにしていますが、特定の宗教や政治に影響されないようにしています。悪影響を与えるものでなければ依頼主や仕事を選択しないで自由に描かせていただきたいと思います。
作家など文化人が政治がらみの発言などで活動の制限を受ける場合があると思いますが・・。
【不二本】 (原発反対を叫んでいる瀬戸内寂静さんは)ご高名なので活動する意義があると思いますが、私は庶民なのでそうはいきません。狩野派のように流儀に逆らえば破門される幕府のお抱え画家よりは北斎のように市井に生き自由に描ける絵師でありたい。イラストレーションでは自分が考えもしない依頼主の注文があり、色々勉強になります。どんな場合も自分のイメージが重要になり、たとえわずかな資料でもそれを基に海底の絵を想像して描くこともあります。CDジャケット、フォークソングのソングブック、子供の図鑑「きのこの森」や「こんな面白い聖書の話」の書籍カバー絵、横溝正史ミステリー挿絵、教科書「新しい算数」の挿絵や似顔絵など何でも描かせていただきました。
作品ごとにイメージを変えるのは大変ではないですか。
【不二本】 依頼主の要望で頭を切り替え、ジャンルは問わず描いています。文庫カバー絵、雑誌「山と渓谷」では壱富士迷路などパズル絵を描きました。たとえば子供図鑑の挿絵は色々調べて自分の息子もモデルにして描いたこともあり、昆虫を調べ専門家の眼識に耐えるようなイラストレーションになるように心がけます。平面的な資料を元に躍動感あるイメージに仕立てるように考えながら描いています。
「ダリなどのシュールレアリズムの影響があるように見えますがいかがですか。
【不二本】 イラストレーションそのものがシュールレアリズムみたいなもので、写真が発達した現代では超写実より超現実のほうが色々と見る人が楽しめると考えています。恐竜などの判明してない色はこちらで考えて描き、イメージを膨らませるか、写実に徹するか様々ですね。
写真よりイラストのほうがリアルに感じられます。
【不二本】 海外の出版社からも依頼があり、官能からGLOBAL BISINESS誌など政治・経済まで娯楽を忘れないように描きます。怪奇的な絵も描いていますが、不快感を与えたり楽しめないようではまずいので、狂気に落ちないように読者に興味を持ってもらう範囲で描いています。
今日は不二本さんの宇宙を垣間見させていただきました。幅広い分野にイラストを描かれて驚嘆しています。今後の活躍をお祈りします。ありがとうございました。
(取材後記)ご多忙にもかかわらず2時間以上にわたり丁寧にお話いただきました。リビングルームの本棚がすべて不二本さんの作品で占められていました。幅広いジャンルでイラストを描いている不二本さんの頭の中の宇宙を垣間見る思いでした。
その1
人権弁護士として活躍、後藤裕造さんを訪ねて
(2012年4月3日 弁護士法人房総法律成田事務所にて)
富里市日本共産党後援会ニュース(そよ風)に富里市内でこだわりを持ってがんばっている人を紹介しようとの趣旨でお伺いしました。 早速ですが事務所設立の経緯からお聞かせください。
【後藤裕造弁護士】 弁護士法人房総法律の事務所が県内に3ヶ所(富里市、千葉市、匝瑳市)あり、弁護士は7人です。平成15年1月に設立しました。富里市にある成田事務所は扱う事件数が多くて、地元成田や富里だけでなく香取、我孫子、銚子など広範囲から人伝てに相談者がみえます。
後藤先生は山形県出身ときていますが。
【後藤】 酒田の穀倉地帯です。バックには鳥海山があり夏でも雪渓が残り高山植物のきれいなお花畑が広がっているいいところです。
弁護士を志したのはなぜですか。
【後藤】 弁護士になる前は千葉県庁に就職、職員組合の支部執行委員も務めてきました。組合員の利益を守る弁護士の活動をみて総評弁護団に憧れました。働きながら司法試験に挑戦し合格しました。31歳でした。弁護士になり勤めたのが千葉中央法律事務所で川鉄公害裁判準備中でした。ご夫婦弁護士の高橋さんと田村徹弁護士が活躍していました。オリエンタルモータース、日立精機、桜井鉄工、千葉銀、日立メディコ、東電、ノースウエストホテル、エールフランスなどなど労働事件が非常に多かったです。差別事件を扱って差別する側の人間の弱さを痛感しました。労働事件はやはり印象に残っています。事件解決後も付き合いは続いています。
千葉中央の時代については良くわかりました。 成田に来てからはいかがですか。
【後藤】 独立して成田市花崎町に成田中央法律事務所を構えても事件は山ほどありました。労働事件では、労働者が経営側の切り崩しにあい、一夜明け後ろを見たら誰もいないという苦い経験もしました。学習することの必要性を感じました。目標があれば簡単に権利闘争を放棄しないで頑張れます。日本共産党は将来を見据える仲間を増やす努力をしていますが、重要なことだと思います。事件を解決した当事者が他の人をもサポートするようになれば運動も発展すると思います。私は、そのような人間関係を大事にしています。
自分の権利や尊厳を知らないで大変な目にあっている人がいます。事件が多くなるばかりで減らない、こんな状況を先生はどう思いますか。
【後藤】 事件と関連してというより今の政治状況には危惧を感じています。橋下(大阪維新の会)は瞬く間に勢力を伸ばし大阪市長選挙と府知事選挙で当選しました。このような状況が第一次世界大戦後のドイツに似ています。マスコミが「維新の会」の宣伝機関になっていて、どうでも良いようなことまでメディアで流し、大阪のみならず全国まで知らしめています。みんなの党などほかの政党もこびておりどのような勢力になるのか危惧しています。戦前の中国侵略を報道していた新聞各紙は、慎重な意見が軍部内でもあったが、当時のマスコミは主戦論者の尻をたたくような論調で国民をあおり、善良な国民がちょうちん行列までもやるような状況となりました。メディアの役割は真実を伝える記事を書くことです。憲法擁護の立場からすれば「維新の会」が国会で多数を取る前に摘み取る必要があります。
趣味を兼ねたユニークな活動をされていると聞きますが。 【後藤】 趣味を兼ね「囲碁9条の会ちば」を年金組合員中心に立ち上げました。一般組合員はそれほどの活動の場はないようですが、囲碁の対局では主役になれます。頭を使うだけで誰でも参加できる特徴があり気晴らしをかねてもやれます。囲碁(趣味)と九条の活動を結びつけました。また関連してドキュメンタリー映画「太陽と月と」(福原進監督)の上映活動をやっています。監督は大学の同級生で安倍内閣の国民投票法の時に危機を感じこのドキュメンタリーを作り始めました。現行憲法はけっして占領軍の押し付けではなく、憲法の源流は明治時代の自由民権運動の中にあったとする映画です。その上映活動をやっています。ぜひ試写会からはじめましょう。 |
お忙しい中、色々な貴重なご意見や体験談をお聞かせいただきありがとうございました。
写真上 後藤裕造弁護士
写真下 弁護士法人房総法律・成田事務所 富里市日吉倉 3007-9 (91)3481(スカイブルーの3階建ビル)